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運行管理者不足への対応と社内育成

運行管理者の退職や異動、車両の増加などによって、「今後、運行管理者が足りなくなるかもしれない」と不安を感じている運送会社もあるのではないでしょうか。

運行管理者は、安全な運行を支える重要な役割を担います。必要になってから資格保有者を探すのではなく、現在の選任状況や将来の人員計画まで含めて、早めに体制を整えておくことが大切です。

この記事では、運行管理者が不足しそうな場合に確認したいことや、補助者の役割、社内で資格取得者を育成する際のポイントについて解説します。


運行管理者が足りないときは、まず必要人数を確認しよう

運行管理者が不足しているか判断するには、まず営業所ごとに必要な人数と、現在選任している人数を確認しましょう。

トラックでは、営業所に配置する事業用自動車の台数に応じて、選任する運行管理者の人数が定められています。現在足りている場合でも、今後の増車や退職、異動によって不足する可能性があるため、将来の計画まで含めて確認しておくことが重要です。

車両数に応じて必要な運行管理者数が変わる

トラックでは、一般的に事業用自動車5両以上29両までで運行管理者1名が必要となり、その後は30両増えるごとに1名ずつ追加されます。

※こちらの表は横スクロールで閲覧ができます。

事業用自動車の台数 運行管理者の最低人数
5~29両 1名
30~59両 2名
60~89両 3名
90~119両 4名

実際の選任人数を確認する際は、営業所の車両状況や最新の法令・行政機関の案内も確認しましょう。

退職・異動・増車まで見越して確認する

現在の必要人数を満たしていても、「ぎりぎりの人数だから問題ない」と考えるのは避けたいところです。

運行管理者が1名しかいない営業所で、その社員が退職や異動となれば、運行管理体制へ影響します。また、増車によって必要人数が増える場合もあります。

今だけではなく、半年後、1年後の人員配置や事業計画まで見ながら確認しましょう。

運行管理者が足りなくなる主な原因


運行管理者不足は、突然発生する場合だけではありません。資格者の偏りや将来を見据えた育成不足など、以前から潜在的な課題を抱えているケースもあります。

資格者が一部の社員に偏っている

運行管理者資格者証を持つ社員が少なく、特定の人だけに役割が集中していると、その社員が退職・休職・異動した際に体制が不安定になりやすくなります。

資格者の人数だけでなく、「誰がどの営業所で選任されているか」まで把握しておくことが大切です。

退職や異動で急に不足する

必要人数ぎりぎりで運用している場合、一人の退職や異動でも不足につながることがあります。

人事異動を検討するときには、その社員が運行管理者として選任されているかどうかも確認しましょう。

車両数が増えて必要人数も増える

事業拡大に伴って車両を増やした結果、必要な運行管理者の人数も増える場合があります。

車両計画と人材計画を別々に考えるのではなく、増車予定がある段階から運行管理者の確保も検討しておきましょう。

資格取得を計画的に進めていない

「不足したら誰かに資格を取ってもらう」という対応では、資格取得までに時間がかかります。

将来の管理職候補や現場経験のあるドライバーなどから、あらかじめ資格取得候補者を決めておくことが重要です。

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資格者が社内にいれば、それだけで選任できるとは限らない

社内に運行管理者資格者証を持つ社員がいても、資格の種類や配置状況などを確認する必要があります。

貨物自動車運送事業で運行管理者として選任する場合は、貨物の運行管理者資格者証が必要です。

「資格を持っている社員が何人いるか」だけではなく、どの資格を持ち、どの営業所で選任できる状態なのかまで整理しておきましょう。

運行管理者が不足しそうなときに会社が確認したい5つのこと


運行管理者が足りなくなる可能性がある場合は、人を探す前に現在の社内状況を整理しましょう。

1|営業所ごとの必要人数

営業所ごとの車両数と、必要な運行管理者数を確認します。

複数営業所を運営している会社では、全社合計ではなく営業所単位で整理することが重要です。

2|資格者証を持つ社員の人数

現在選任している社員だけでなく、資格者証を保有しているものの運行管理者として選任されていない社員も確認します。

社内の資格情報を一覧化しておくと、人員配置を検討しやすくなります。

3|今後の退職・異動予定

現在の人数だけで判断せず、今後の退職や異動予定も確認しましょう。

特に選任人数が最低限の場合は、早めに後任候補を育成する必要があります。

4|増車・営業所拡大の予定

増車や新しい営業所の開設を予定している場合は、必要な資格者についても事前に確認します。

事業計画と人材育成計画を連動させることで、直前になって人材が足りないという状況を防ぎやすくなります。

5|資格取得候補者がいるか

今後の運行管理を担える社員がいるか確認します。

現場経験のあるドライバーや管理職候補などから、複数の資格取得候補者を育てておくことも一つの方法です。

運行管理補助者を活用するときの注意点

運行管理業務の負担を分散する方法として、運行管理補助者を選任する制度があります。

補助者は、一定の要件を満たした人の中から選任し、運行管理者の業務を補助します。ただし、運行管理者と補助者では役割が異なるため、混同しないようにしましょう。

補助者は運行管理者の代わりではない

補助者は、運行管理者の業務を履行するための補助を行う立場です。運行管理者の代理として、すべての業務を行えるわけではありません。

補助者を選任する場合は、その選任方法や職務、遵守事項などを運行管理規程へ明記する必要があります。

点呼の一部を補助できる場合がある

補助者は、運行管理者の指導・監督のもとで、点呼に関する業務の一部を行うことができます。

ただし、補助者を選任している場合でも、運行管理者自身が行うべき点呼の割合などが定められています。補助者へすべて任せられるわけではない点に注意しましょう。

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「補助者を増やせば運行管理者不足を解消できる」わけではない

運行管理補助者は、点呼などの運行管理業務を分担し、運行管理者の負担を軽減するために活用できます。

一方で、補助者は法令上必要となる運行管理者の選任人数そのものを置き換える存在ではありません。

補助者制度を活用する場合でも、必要な人数の運行管理者を選任したうえで、適切な運行管理体制を整えることが前提となります。

運行管理者不足は社内育成で備えることが重要


運行管理者を確保する方法として、資格保有者を外部から採用するだけでなく、既存社員の資格取得を支援する方法もあります。

特に将来的な退職や増車が想定されている場合は、不足してから人材を探すのではなく、早い段階から社内で候補者を育てておくことが重要です。

ドライバーから運行管理者候補を育てる

現場で運行や安全管理に関わってきたドライバーの中から、将来の運行管理者候補を選ぶ方法があります。

ただし、運転経験が長いという理由だけで決めるのではなく、法令を学ぶ意欲や、ほかのドライバーへ適切に伝えられる力なども確認しましょう。

複数人を同時に育成する

次に必要となる一人だけを育てるのではなく、複数の資格取得候補者を用意する方法もあります。

資格者が一人に集中する状態を避けることで、退職や異動などが発生した際にも対応しやすくなります。

運行管理者の資格取得候補者はどう選ぶ?

資格取得候補者を選ぶ際は、勤続年数だけではなく、将来どのような役割を任せたいのかを考えることが大切です。

たとえば、次のような視点で候補者を検討できます。

  • 現場の運行や業務を理解している
  • 安全運行への意識がある
  • 法令や労務管理を学ぶ意欲がある
  • ドライバーへ適切に説明できる
  • 将来的に管理業務を担う意思がある

資格取得を人員補充だけで考えず、会社の将来を担う人材育成として捉えましょう。

関連記事:
ドライバーを運行管理者へ育成する方法|社内教育の進め方とポイント

運行管理者を社内育成する5STEP


運行管理者を計画的に育てる場合は、資格取得候補者を決めるだけでなく、試験までの学習環境も会社側で整えることが重要です。

STEP1|必要人数と将来の不足人数を確認する

現在必要な人数だけでなく、退職・異動・増車などを踏まえて将来不足する人数を確認します。

STEP2|資格取得候補者を決める

現場経験や適性、本人の意向などを踏まえて候補者を選びます。可能であれば複数人を候補として育成しましょう。

STEP3|受験資格を確認する

運行管理者試験を受験するには、所定の実務経験がある場合や、試験の種類に応じた基礎講習を修了している場合など、定められた受験資格を満たす必要があります。

受験を決める前に、候補者がどの受験資格に該当するか確認しておきましょう。

STEP4|試験までの学習環境を整える

「試験を受けてください」と本人へ任せるのではなく、勉強時間や教材、受験時期などを会社側でも整理します。

勤務と両立しやすい動画教材などを活用する方法もあります。

STEP5|資格取得後の育成・配置につなげる

試験合格だけをゴールにせず、その後の資格者証の手続きや配置、運行管理業務を担うための教育まで見据えましょう。

継続的な運行管理体制を作ることが、社内育成の目的です。

運行管理者の社内育成で会社ができるサポート

資格取得を社員個人の努力だけに任せるのではなく、会社が学習環境を整えることで育成を進めやすくなります。

たとえば、学習時間の確保、教材や受講費用の支援、受験日程の共有などが考えられます。

また、複数人で資格取得を目指す場合は、定期的に学習状況を確認する仕組みを作る方法もあります。会社として「いつまでに何人育成するのか」を明確にすると、資格取得を計画的に進めやすくなります。

PICK UP
資格取得を本人任せにすると育成が進みにくいこともある

社員へ「運行管理者の資格を取ってほしい」と伝えるだけでは、日々の業務が優先され、勉強が進まない場合があります。

資格取得を会社の人材育成施策として位置付け、学習期間や教材、受験時期まで含めて計画を立てましょう。

本人の意欲だけに頼るのではなく、会社として学びやすい環境を整えることが、継続的な資格者育成につながります。

運行管理者の不足対策は「採用」と「育成」を分けて考えよう

運行管理者不足への対応は、外部から資格保有者を採用する方法と、社内で資格取得者を育成する方法に分けて考えると整理しやすくなります。

※こちらの表は横スクロールで閲覧ができます。

対策 主な目的
資格保有者の採用 必要な人材を外部から確保する
社内資格者の確認 既存人材を活用する
補助者体制の整備 運行管理業務の負担を分散する
社内育成 中長期的に資格者を確保する
複数人の育成 属人化や将来の不足に備える

短期的な対応と中長期的な育成を組み合わせ、自社に合った体制を考えましょう。

社内の資格取得にはオンライン動画を活用する方法も

社員に運行管理者資格の取得を勧める場合、通常業務と試験勉強を両立できる環境を作ることが大切です。

パシストでは、運行管理者試験対策を1本約20分前後のオンライン動画で学習できます。スマートフォンからも視聴できるため、複数の資格取得候補者が、それぞれの勤務状況に合わせて学習を進める方法として活用できます。

運行管理者が不足してから対応するのではなく、将来を見据えた資格者育成の一つとして検討してみてください。


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運行管理者が足りなくなる前に計画的な社内育成を進めよう

運行管理者不足への対策では、まず営業所ごとの必要人数と現在の選任状況を確認することが重要です。そのうえで、退職や異動、増車など将来の変化も見据えましょう。

「必要人数を確認する→現在の資格者を把握する→将来の不足を予測する→資格取得候補者を決める→会社として学習を支援する」という流れで準備を進めます。

運行管理者が足りなくなってから人材を探すのではなく、安全な運行管理体制を継続するためにも、複数の資格者を計画的に育成しておくことが大切です。